処方箋医薬品として指定される体外診断用医薬品

体外診断用医薬品
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病院などの医療機関でもらった処方箋(しょほうせん)を薬局に持っていくと、薬局では処方箋と引き換えに医薬品を購入できます。

購入するときに処方箋が必要な医薬品を「処方箋医薬品」といいます。

処方箋医薬品は厚生労働大臣によって指定されます。

体外診断用医薬品も医薬品の一種ですが、体外診断用医薬品の中にも処方箋医薬品として指定されているものはあるのでしょうか?

ジン
ジン

本ページではいきなりですが、答えから書いちゃいます。

処方箋医薬品として指定されるものはない

結論から書きますと、処方箋医薬品として指定されている体外診断用医薬品というものは今のところありません

先輩
先輩

はい、終了!解散!

お疲れさんでした~

ジン
ジン

と、いうわけにもいきませんので以下で詳しく解説していきます。

処方箋医薬品の定義

上で答えが出たように、体外診断用医薬品は処方箋医薬品として指定されていません。
(処方箋医薬品である体外診断用医薬品は、存在しません)

その理由は処方箋医薬品の定義を見ると一目でわかります。

 

処方箋医薬品の定義は、医薬品医療機器等法に規定されています。

(処方箋医薬品の販売)
薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

医薬品医療機器等法第49条第1項
原文は 総務省 e-gov法令検索 でご確認いただけます。
ジン
ジン

法律の文章は難しいですね。

条文を分かりやすくしてみると、こうなります↓

処方箋医薬品の販売

薬局やドラッグストアは、処方箋を持っていない人に、処方箋医薬品(厚生労働大臣の指定する医薬品)を販売しちゃダメ。でも、薬剤師に販売するときは、処方箋はなくてもいいよ。

「処方箋を持っていない人に処方箋医薬品を販売しちゃダメ」

ということは、逆をいうと「処方箋がないと購入できない」ということですね。

 

じゃあ、具体的にはどの医薬品が処方箋医薬品なの?

ということで、ようやく処方箋医薬品の定義が登場します。

 

法律の文章では「厚生労働大臣の指定する医薬品」という表現で規定されていましたね。

法の世界では、1番上位の「法律」でルールの大枠を決め、その下の「政令」や「省令」、「告示」で細かなルールを定めている場合が多いです。

ジン
ジン

法律あるあるですね。

今回のケースでは、厚生労働省の告示で「厚生労働大臣の指定する医薬品
つまり、「処方箋医薬品」が規定されています。

平成17年2月10日厚生労働省告示第24号
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十九条第一項の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品

ジン
ジン

この告示の中に答えがあるというわけですね。

さっそく見てみましょう。

次に掲げる医薬品(専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品であって、人の身体に直接使用されることのないものを除く。)

一 放射線医薬品
二 ...
三 ...

平成17年2月10日厚生労働省告示第24号
原文は 厚生労働省 法令等データベースサービス でご確認いただけます。

告示を読んでみると、

専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品であって、人の身体に直接使用されることのないもの」は処方箋医薬品から除かれています。

 

この赤いマーカー部分、どこかで見たことがある気がしませんか?

そうです。医薬品医療機器等法第2条第14項にこのような記載がありました。

この法律で「体外診断用医薬品」とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。

医薬品医療機器等法第2条第14項
原文は 総務省 e-gov法令検索 でご確認いただけます。
ジン
ジン

つまり「体外診断用医薬品」のことですね。

これらのことから、処方箋医薬品には体外診断用医薬品が含まれていないことがわかります。

 

「今のところ」無い

ということで、

処方箋医薬品として指定される体外診断用医薬品は存在しない

ということがわかりました。

でも「存在しない」のは「今のところ」かもしれません。

 

なぜなら、医薬品医療機器等法施行規則に「処方箋体外診断用医薬品」についての規定があるからです。

処方箋体外診断用医薬品
=処方箋医薬品として指定される体外診断用医薬品

  • 高度管理医療機器又は処方箋体外診断用医薬品の製造販売後安全管理業務を委託する方法(第114条の61)
  • 高度管理医療機器又は処方箋体外診断用医薬品の製造販売後安全管理業務を再委託する方法(第114条の65)

 

現在のルールでは、

処方箋体外診断用医薬品の取扱いに関する規定はあるけれど、実際の処方箋体外診断用医薬品は存在しない。

という構図になっています。

処方箋医薬品として指定される体外診断用医薬品は今はまだ存在しませんが、今後指定される可能性があるということなのかもしれません。

 

また、体外診断用医薬品の処方箋医薬品としての指定については、厚生労働省から次のような内容の通知も出ています。

体外診断用医薬品については処方せん医薬品として指定されないものであること。

平成17年2月10日薬食発第0210001号
原文は 厚生労働省 法令等データベースサービス でご確認いただけます。

通知ではハッキリと「指定されない」と書かれていますね。

 

まとめ

本ページでは、処方箋医薬品として指定される体外診断用医薬品(処方箋体外診断用医薬品)は現時点では存在しないということをお伝えしました。

しかしながら法令中には処方箋体外診断用医薬品についての規定があることから、今後いつか登場するかもしれません。

筆者自身も頭の片隅に置いておいておこうと思います。

 

以上です!

ありがとうございました!

編集後記

話は少しそれますが、

私が学生時代に勉強した第99回薬剤師国家試験の過去問で、次のような設問がありました。

「体外診断用医薬品は、処方せん医薬品として指定される。」

今のところはバツですね~。

しかしながら今後もし告示が改正されれば、マルになるかもしれませんね~。

ジン
ジン

学生時代にはこの文章の意味も分からず、必死に丸暗記したものです。

意味が分かればどうってことないですね。

では!

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